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スルバラン Francisco de Zurbarán

スペインのスルバランという画家を知っていますか?
スペインの黄金世紀(Siglo de Oro, 15世紀から17世紀にかけてのスペインの美術、音楽、文学隆盛の時期)のバダホス出身の画家で、写実的な宗教画やボデゴン(静物画)の名作を残しています。
ティッセン=ボルネミッサ美術館で、スルバラン展を開催中で、友人がガイドツアーを企画してくれたので行ってきました。

DSC07864.jpg 

暗い色のバック、ミニマリストと言いたくなるなるようなシンプルな構造の中に描かれる超写実的な人物や壺。
皮膚の表現や、布地や陶器の感触がつたわってくるような細かいタッチ、本当に素晴らしくて見とれてしまいました。
7つの展示室に、初期作品、セビリア時代の作品、円熟期の作品に加えて、息子のフアンのボデゴン(静物画)、工房や弟子たちの作品もゆったりと展示されています。

zurbaran_serapio00.jpg 『聖セラピウスの殉教』 1628年 
左手(向かって右)が修復済み、右手は未修復だそうです。 間近で見るとBefore & Afterがはっきりわかって興味深いです。

zurbaran_nazareth00.jpg 『茨の冠を見つめる幼児キリスト(ナザレトの家)』 1630年ごろ
茨の冠でさしてしまった指を見つめる幼いキリストと、息子の最期を無意識に予期して取り悲しげな聖母マリア

zurba.jpg 「神の仔羊」 1635~1640年頃
隣に、同じ構図だけど目を開けてまだ生きている仔羊の絵がありましたが、そちらは工房作品だそうです。

Francisco_de_Zurbarán_011イエス・キリストの顔が浮かび上がる聖布、怖い・・・

250px-Zurbaran_-_Bodegon.jpg ボデゴン (静物画)
同じ部屋に息子フアンの静物画が数点ありますが、そちらもすばらしいです。

スルバランは自分の描きたいものを描いたのではなく、その作品は全て注文主の希望に沿って描いたのだそうです。
依頼主がカトリック教会が多かったから、カトリックの教えを信者にわかりやすく伝える宗教画が多いのかな?
初期の画風は、「スペインのカラヴァッジョ」とも呼ばれ、暗闇から浮かび上がるような作品が多いけど、最後のころはバックも青空でムリーリョのような作品もありました。
時代の好みに合わせて描いていったんでしょうかね。
また、黄金世紀は演劇も人気があって、宗教演劇の衣装で描かれているものもあると、ガイドさんが教えてくれました。
才能はあったけど、エル・グレコやベラスケス、そして後年はムリーリョと同時代だったから、スルバランの影は薄いのかもしれませんね。

気になったのは、パンフレットに「最近になってスルバラン作と判明した作品も何点か展示されている」とあって観てみましたが、素人の私が見ると「本当に?」と思ってしまいました。
絵の価値を高めるためにスルバラン作とお墨付きを出したりすることもあるんじゃないかと勘繰ってしまいました。

パンフレットの最後に、この展覧会はJTi (日本たばこ産業)の協賛とありました。Bravo!


スルバラン展ホームページ
会場:ティッセン=ボルミネッサ美術館
会期:6月9日~9月13日
Category: スペイン

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